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はからずも年をまたいでの2015ツアー「君は今 泣いたりしていないか」のラスト・ステージ。会場都合とはいえ、みのや自身の中でもまだ年明けぬ思いがあったのだろう。それはそうだろう。2016年はデビュー35周年。アニバーサリー・イヤーに行うツアーは今年スタートし今年のうちに終えることが既に決定している。今夜は2015年のみのや総決算を受け止めよう、という想いで1月16日(土)もうお馴染と言って良いだろう、教育文化会館大ホールへ足を運んだ。
“人に寄り添う”歌を届けてきたみのやであるが、今回のツアーはまさにみのやが常に気遣う、人への想いが詰まったアルバム「stardust」を中心にした心優しいステージだった。
常々自分をミスター・スターダストと公言して憚らないみのや。自分の人生誰しもが“輝きたい”と願うがなかなかかなうものでもない。しかしあきらめるな、へこたれるなと人生の応援団長を買って出たかのように、みのやはこのアルバムに人に寄り添う曲を6作品収めた。
ツアー・タイトルにもなっている「君は今 泣いたりしていないか」で幕を開けたステージは、いつものように楽しいおしゃべりや胸を打つ話を挟みながら、苦境に或る時、踏ん張りどころを迎える時、さりげない優しさを持って背中を押してくれる「がんばってね」や、それでも明日へ立ち向かって行こうとする一歩を踏み出す勇気をくれる「夢しかなかった」、人愛しむ気持ちが痛いほど伝わってくる「百の言葉、千の想い」など新しい曲お馴染の曲取り混ぜて17曲を披露。
会場にはみのやの歌に支えられてきた幾人もの人々に混じって、このステージまで生きながらえることができなかった妻の遺言で会場にやって来た一ファンの夫や、元プロ野球投手やプロレスラーの姿も見える。みな身じろぎもせず、みのやの歌に聞き入っている。
アンコールに入って新アルバムから3曲歌った後、デビュー曲「白い嵐」で締めくくった。
深い余韻に浸りながらいつも思うのは、みのやのファンは“筋金入り”だと言うこと。客席とステージの間に流れる濃密な空気は、もはや固く太く、そして揺るがない絆の様なものと言っていい。
今年デビュー35周年を迎えるみのやは新たにどんな顔を見せるのか、早くも今年のツアーに思いをはせながら会場を後にした。
(音楽ジャーナリスト 内記 章)
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